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2012-09

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平和を望むなら、戦争に備えよ - 2012.09.03 Mon

 外交用語に「平和を望むなら、戦争に備えよ」という言葉がある。もともとはラテン語で「Si vis pacem, para bellum.」と言い、ローマ時代からある古い格言である。日本のことわざ「備えあれば憂いなし」に似ている。

 さて、今まさに「竹島問題」が盛り上がりを見せているが、これを解決する手段は、冷静に考えて、日本が「戦争に備える」ことだと私は思う。それは、もう少し限定的に言えば「自衛権を行使する覚悟(国を守る覚悟)」を決めることに他ならない。

 一見奇妙なことだが、「戦争に備える」ことは「平和的解決」を促す。これと似た話で、かつてインドとパキスタンは非常に過激な領土戦争を行っていたが、両国とも核武装をした途端、和平交渉を始めた。核兵器が高い抑止力を持つとされる歴史的経験である。つまりこの場合は核の抑止効果だが、強大な武力どうしの衝突を覚悟すれば、甚大な被害を避けるために和平交渉が進むという好例である。

 一方で、いつまで経っても「弱腰外交」を続けていれば、逆に「平和」は構築されない。これまでがそうであったように、「弱腰外交」は相手の侵略的行為をより助長するだけである。竹島のみならず、尖閣諸島も北方領土も、日本だけではない世界中の歴史がそうであった。

 話は変わるが、日本は「法治国家」である。「法の下の平等」を掲げ、国内の秩序を維持している。しかし、国内であれば平等に適応される法律も、国家対国家の問題が生じた場合、ごまかしにごまかしを重ね、平等に適応して来なかった。そしてその結果、平和が維持されるどころか、相手の侵略的行為を助長するのみであった。自衛隊は何のためにあるのか、文字通り「自衛のため」にあるのでは無いかと、私は何度も考えてきた。これは自民党政権にも大きな問題がある。

 自衛隊を発動させる基準は、単なる主観では無く、れっきとした法的要件がある。いわゆる「自衛権発動の三要件」である。

 具体的には、
 ①わが国に対する急迫不正の侵害があること
 ②この場合にこれを排除するために他の適当な手段がないこと
 ③必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと
 これらは国際法を学んだ者なら誰でも知っているいわば常識である。

 では韓国による「竹島侵略」は「自衛権発動の三要件」を満たしていないのか。

 この点につき外務省は、要件①の「急迫性」が無いと答弁している。つまりすでに韓国が占拠しており、差し迫った不法行為ではない、だから自衛権を発動できないというのである。

 しかし、これは全くもっておかしい。刑法学の概念に「継続犯」というものがある。例えば、旅行に行っている間に、家に強盗が入り立てこもったとする。一ヵ月後、旅行から帰ってきたら犯人が家をいまだ占拠している。それで犯人に対しに家主が抵抗した場合、「正当防衛」は成り立つかという問題である。これについて刑法では「成り立つ」と解釈している。なぜならば犯人の不法侵入は瞬間瞬間に犯罪が継続しており、未来に対する急迫不正の侵害が起こっていると見なされるからである。

 竹島も同じである。韓国の不法侵入は「継続犯」である。入ってきた昭和二十九年の一時点が不法侵入なのではなく、韓国の軍隊が居続けるその瞬間瞬間に犯罪は継続しており、明日に対して急迫不正の侵害が起こっている。家に居座る者に関しては、居座ってから一日たっても正当防衛が成立する国内の刑法学の議論と同様である。

 この議論を踏まえて、今回は要件②の議論をしてもらいたい。「他の適当な手段」つまり第一段階としてのICJ(国際司法裁判所)に対する提訴である。「韓国がICJ提訴に応じない場合は自衛権を発動する」ということを確認して提訴の手続きを行うということである。

 ICJへの提訴は当事国両国の同意が必要である。おそらく韓国は今回も応じないであろう。しかしその場合、日本がこれまで同様黙っていては、「泣き寝入り」するばかりである。そうではなくて「他にとりうる手段が無い場合」つまり「ICJ提訴に同意しない場合」は「自衛権を発動する」ということを明言してから提訴することが、韓国との交渉を進める第一歩である。
 
 韓国が平和的解決を望むなら、あるいは「法治主義」という価値観を共有できる国なら正々堂々と応じれば良い。万が一それでも提訴に応じない場合も想定できるが、そのときは日本も自衛権を行使する覚悟を決めればよい。そもそもそのために自衛隊は存在している。もちろん前提として、徴兵制を行っている韓国との武力衝突に負けないような軍事力が必要であるが。

 先日の新聞で東京の石原都知事が「尖閣を国有化するというのならその条件として、漁船の待避施設、漁船用の無線施設や灯台の整備を要求する」と述べた。実効支配を強める有効な手段だ。しかし領土問題でも「不退転の覚悟」を表明していたはずの野田総理は、それに返事をしなかった。事実上断ったということだ。中国に配慮した結果だというのが大方の見方だが、おそらくその通りだろう。相変わらず弱腰の誤ったメッセージを中国、そして韓国、ロシアにも伝えたと考えられる。つまり強硬に出れば日本は妥協すると。

 「平和を望むなら、戦争に備えよ」、まさに日本が「弱腰外交」をやめ、戦争に備える(自衛権発動の覚悟を決める)ことこそ、他国の侵略を防ぐことになり、もちろん韓国大統領の天皇陛下に対する非礼発言も二度となくなるのではないかと私は考える。



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プロフィール

武藤貴也(むとうたかや)

Author:武藤貴也(むとうたかや)
昭和54年5月25日、北海道釧路市生まれ。血液型O型。東京外国語大学卒業、京都大学大学院修了(専門は外交・安全保障・国際法)。平成21年「全国公募」で自民党滋賀県第四選挙区支部長に選ばれ、平成24年第46回衆議院議員総選挙で初当選。外務委員会・安全保障委員会所属。麻生派(為公会)。近江八幡市在住。

*滋賀県第四選挙区(東近江市、近江八幡市、甲賀市、湖南市、日野町、竜王町)

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