加工1

2017-08

スポンサーサイト - --.--.-- --

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「集団的自衛権」は自然権 - 2014.05.14 Wed

 「集団的自衛権」が議論になっている。総理の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)は、集団的自衛権が行使できるとする憲法解釈の変更を求める報告書をまとめ、自民党としても「限定的容認」を目指して議論を進めている。私から見れば遅過ぎると感じる上、現状でも付されている「限定的」という文言に強い違和感を覚えている。

 そもそも集団的自衛権は国際法上広く認められた国家固有の「権利」であり、国連憲章の第51条では「自然権」(英語ではinherent right,フランス語ではdroit naturel,中国語では自然権利)として明記されている。「自然権」とはいかなる法によっても制限できない生来の権利のことを言う。従って、それをこれまで憲法が禁じていると解釈してきたこと自体が異常だったのであって、今回の議論は解釈の「是正」に向けた第一歩である。しかし「限定的」としているのは、またおかしい。

 今はもう下火だが、数年前「国連改革」が叫ばれた時期があった。国連常任理事国入りを目指し、日本も同様の目的をもつ国々と連携して国際的に働きかけを行った。結論から言えばこの試みは失敗に終わったのだが、注目すべきは失敗の中身である。というのも日本以外の国は近隣地域に「共同提案国」という存在があったが、日本の場合、日本がこれまで膨大な援助を送り続け、それによって成長を遂げたASEAN諸国の内、一か国も日本の国連常任理事国入りを支持しなかったからである。なぜASEAN諸国が日本を支持しなかったのか、その理由は中国への配慮があったからだ。

 最近中国は尖閣諸島だけではなく、ヴェトナムやフィリピン近海でも当該国と武力衝突に至っているが、中国の軍事的南下は従来からあった。実はその都度日本は、中国に対する抑止力としての働きをASEAN諸国から期待されていた。元タイ大使の岡崎久彦氏は、かつて中国の南下を抑止するため日本と同盟関係を結びたいとタイ政府から幾度となく働きかけがあったと証言している。しかしもちろん日本はタイと同盟関係は結ばなかった。理由はひとつ、集団的自衛権の行使ができないからだ。日本は守ってもらえても、日本が他国を助けることはできない。こうした状況では事実上同盟関係は結べない。日本はASEAN諸国にとって安全保障上全く頼りにならず、従ってASEAN諸国は次第に中国に配慮せざるを得ない状況に追い込まれていった。こうした状況が国連改革時の日本の孤立を招いたことは言うまでもない。

 集団的自衛権を行使できない弊害は、PKO活動の際も起きた。湾岸戦争以来、国際的な義務と責任を果たすため、日本は幾度となく自衛隊の海外派遣を行った。しかし現地では他国の軍隊に護衛してもらい、その上、護衛している軍隊がテロや紛争国当事国の軍隊から攻撃を受けた場合、日本の軍隊は護衛してもらっている軍隊を援護することができなかった。これも集団的自衛権が行使できないからであった。今後も予想されるPKO活動だが、これ以上義務と責任逃れをすることは、当然日本の信頼を失墜させることになる。

 にもかかわらず、集団的自衛権容認に相変わらず未だ「限定的」というごまかしのような修飾語をつけることに違和感を覚えるのは私だけではないだろう。「地球の裏側に行って戦争に参加するのか」という疑問に勇気をもって「そういうこともあり得る」と答弁することが今の政治に求められている。そもそも「地球の表側は良くて裏側はダメ」という意味不明の議論は、論理的ではなく感情的なものだ。中東や南米でPKO活動が行われるかもしれないし、今後地球の裏側にあるヨーロッパや南米の国と同盟関係を結ぶこともあるかもしれない。そうしたことも想定して「集団的自衛権」という「権利」を行使できるように法的な環境を整備することは、遅すぎるが当たり前のことである。


スポンサーサイト

● COMMENT ●


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://mutoutakaya.blog65.fc2.com/tb.php/137-c0947494
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

「地域主権」という病理 «  | BLOG TOP |  » 脱「ダチョウの平和論」

プロフィール

武藤貴也(むとうたかや)

Author:武藤貴也(むとうたかや)
昭和54年5月25日、北海道釧路市生まれ。血液型O型。東京外国語大学卒業、京都大学大学院修了(専門は外交・安全保障・国際法)。平成21年「全国公募」で自民党滋賀県第四選挙区支部長に選ばれ、平成24年第46回衆議院議員総選挙で初当選。外務委員会・安全保障委員会所属。麻生派(為公会)。近江八幡市在住。

*滋賀県第四選挙区(東近江市、近江八幡市、甲賀市、湖南市、日野町、竜王町)

国会事務所:
東京都千代田区永田町2-2-1
衆議院第一議員会館601号室
TEL:03-3508-7126
FAX:03-3508-3419

滋賀県近江八幡事務所:
滋賀県近江八幡市長福寺町325-4
TEL:0748-38-0610
FAX:0748-38-0612
mutou.takaya@gmail.com
office@mutou-takaya.com

滋賀県甲賀事務所:
滋賀県甲賀市水口町本町3丁目2428-1
TEL:0748-65-6610
FAX:0748-65-6612


●むとう貴也の基本理念
国家の自立
地方の自立
個人の自立

●むとう貴也の政治信条
一、新しい時代を創る情熱と勇気を持つこと。
一、守るべきものを守る強い信念を持つこと。
一、弱者・敗者を助ける優しさを持つこと。
一、夢と希望を忘れない心を持つこと。
一、正直・誠実・勤勉な姿勢を忘れないこと。

●むとう貴也の「理念・政策ビラ」がこちらでご覧になれます!(クリックして下さい)
    ↓↓↓↓
   「政策ビラ

SNS

Mutou Takaya

バナーを作成

お勧め動画「凛として愛」

日本近現代史を簡単に学べます。

お薦め動画 「日米開戦の裏」



真珠湾攻撃前に米国が日本を攻撃していた事実。

お勧め動画「東京裁判」

東京裁判の実体を垣間見れます。

カテゴリ

時事 (42)
理念 (6)
憲法 (2)
外交・安保 (5)
思想 (4)
歴史 (4)
経済 (4)
原発 (6)
外国人参政権 (1)
教育 (2)
沖縄 (3)
北方領土 (1)
尖閣諸島 (2)
領土問題 (1)
統治機構改革 (1)
TPP (1)
東日本大震災 (1)
一票の格差問題 (2)
ワクチン問題 (1)
参議院改革 (1)
治水政策 (1)
政治思想 (1)
ODA (0)
報告・お知らせ (27)
その他 (6)

最新記事

月別アーカイブ

カレンダー

07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

むとう貴也からのお願い

【ポスターの掲示をお願いします】ご自宅や会社の塀、駐車場のフェンス・畑など空いているスペースをお貸し下さい。 サイズは長さ85cm×幅60cmです。 【後援会員募集】武藤貴也を応援して下さる方を募っております。 イベントや報告会など行事予定のお知らせ等をご案内させていただきます。 【ボランティア募集】ポスター張りやビラの配布等お手伝いいただける方。 武藤貴也サポーターとして登録させていただきます。 【ミニ集会の開催をお願いします】近所・職場・サークル等、何でも結構です。お集まりに是非お声掛け下さい。企画して頂いても結構です。 少人数でもお伺いさせていただきます。私の志を聞いて下さい。また、皆様のご意見を聞かせて下さい。 【自由民主党員募集】自由民主党滋賀県第四選挙区支部では、自由民主党の党員を募集しております。2年(総裁選挙の前年・前々年)継続して党費を納めていただいた党員は、総裁選挙の有権者となります。 【カンパをお願いします】地盤看板カバンを持たない候補として努力しています。私の政治活動に対し、カンパをよろしくお願い致します。頂いた献金は大切に使わせて頂きます。 上記、ご協力頂ける方はご連絡下さい。 むとう貴也事務所: 滋賀県近江八幡市千僧供263 連絡先: 0748-38-0610, 0748-38-0612(FAX), mutou.takaya@gmail.com

お勧め本

QRコード

QR

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

フリーエリア



フリーエリア

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。