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「戦争をしないための集団的自衛権」 - 2014.07.17 Thu

 7月1日に閣議決定された集団的自衛権行使容認は、多くのメディアによって歪曲され、国民にその本質が伝わっていないように思われる。メディアによって伝えられる集団的自衛権の要諦は「戦争するため」となっている。集団的自衛権の行使を認めれば、海外における戦争に自衛隊が派遣され、日本がどんどん戦争に巻き込まれていくというものだ。それに対して、集団的自衛権は「権利であって義務ではない」と反論しても、米国にNOと言えない以上、義務同然のように米国に付き合わされ戦争に巻き込まれていくと反対派は主張する。それならむしろ米国に追従しないように、自主防衛体制を整えるべきだと主張すべきなのに、そのことを主張する反対論者は皆無である。つまり「日米同盟」で米国に日本防衛の義務を課しておきながら、日本が米国の軍事的サポートをすることは、例え国連決議が出された武力行使であろうと、してはいけないと主張するのである。

 相互防衛による国家間の信頼構築の話は別として、私は今回の集団的自衛権の議論を見ていて「抑止力」という概念がすっぽり抜け落ちているように思う。なぜ「集団的自衛権」というものが国連憲章にも、単なる権利ではなく「自然権(如何なる法によっても制限できない生来の固有の権利)」として盛り込まれたかを考えてみると、そのことが良く見えてくる。そもそも国連憲章に盛り込まれたきっかけは、1945年のサンフランシスコ会議においてラテンアメリカ諸国が主張したことによる。ラテンアメリカの主張の裏には、米国によるラテンアメリカへの進出があった。米国の南下に一か国ではどの国も対抗出来なかったラテンアメリカ諸国は、周辺諸国で協力しその抑止体制を整えようとした。その大前提となっていたのが集団的自衛権である。つまり一か国では米国との「勢力均衡」をつくれないため、いわば群れをなして「バランス・オブ・パワー」をつくり、米国の南下を抑止しようとしたのである。つまりこれこそ「戦争にならないための集団的自衛権」である。

 このことは全世界どの地域でも、そしてどの時代でも同様に言えることであった。人間が国家をつくった初期の段階から、集団的自衛権という言葉そのものは無いが、防衛協力はいたるところでなされてきた。そして現代でもっともそのことが求められている地域のひとつが我がアジア地域である。中国に軍事的に対抗できない東南アジア諸国は、以前から日本との同盟関係を結び、中国の侵略を抑止したいと考えてきた。しかしネックとなったのは日本が集団的自衛権を行使できないと憲法解釈してきたことである。日本は国連に加盟する時、「自然権」としての「集団的自衛権」が明記された「国連憲章」を留保無しに受け入れておきながら、憲法がそれを禁じていると主張してきた。しかしこのことはアジア諸国の日本への期待を裏切り、ヴェトナムやフィリピンなどで見られるように中国の南下を今まさに招いているのは明らかだ。

 日本が集団的自衛権行使を認め、アジア諸国との安全保障体制を整えることは、今まさに侵略をしようとしている中国を抑止し、アジアの平和構築に必ず役立つ。従って、今の問題は、集団的自衛権の行使に対し「自国のため」という極めておかしな限定を加えていることである。政府・与党、そして政治家は世論やマスコミに惑わされたり逃げるたりするのではなく、「戦争をしないためにこそ集団的自衛権が必要不可欠だ」ということを国民にきちんと説明しなければならないと私は考える。



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プロフィール

武藤貴也(むとうたかや)

Author:武藤貴也(むとうたかや)
昭和54年5月25日、北海道釧路市生まれ。血液型O型。東京外国語大学卒業、京都大学大学院修了(専門は外交・安全保障・国際法)。平成21年「全国公募」で自民党滋賀県第四選挙区支部長に選ばれ、平成24年第46回衆議院議員総選挙で初当選。外務委員会・安全保障委員会所属。麻生派(為公会)。近江八幡市在住。

*滋賀県第四選挙区(東近江市、近江八幡市、甲賀市、湖南市、日野町、竜王町)

国会事務所:
東京都千代田区永田町2-2-1
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滋賀県近江八幡事務所:
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