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慰安婦問題 朝日新聞の責任と報道規制を考える - 2014.09.26 Fri

 9月5日、朝日新聞が従軍慰安婦について「強制連行」があったとした過去の一部報道を取り消した。この「強制連行」の根拠となった「吉田証言」を最初に掲載したのが1982年の9月ということなので、取り消すまで実に32年もかかったことになる。多くの専門家が指摘していることだが、なぜ一つの記事を訂正するのにここまで長い時間を要したのか、ある種の「悪意」を感じざるを得ない。

 慰安婦の「強制連行」を証言した吉田清治氏が書いた著書『私の戦争犯罪』は、発表当時から内容の信憑性について多くの疑問が指摘されていた。そしてその後、現代史家の秦郁彦氏による現地調査でフィクションであることが明らかとなり、吉田氏本人もそれを認めていた。にもかかわらず朝日新聞は「吉田証言」について訂正することなく慰安婦問題を取り上げ続け、その結果1996年の国連人権委員会に報告された「女性への暴力特別報告」に関する報告書「クマラスワミ報告」や韓国政府による公式的な慰安婦に関する調査文書にも「吉田証言」が引用されるなど、世界的に日本の名誉を著しく毀損してきた。まさに慰安婦問題の「発火点」が吉田氏の本であり、それを国際問題にまで拡大したのが朝日新聞だと言える。

 従って現在になって朝日新聞が訂正記事を出し、社長が謝罪会見を行なったとしても、もはやこれまで行ってきた日本に対する名誉毀損について朝日新聞が責任を取れる次元ではないかも知れない。仮に朝日新聞の現社長が辞任・辞職したとしても、もっと言えば朝日新聞自体が廃刊になったとしても、それは同様だろう。朝日は廃刊になる前に、世界に自らの誤報を謝罪し、自らの報道が誤報だったことを知らせる広報活動を徹底して行うべきだと私は思う。

 話は変わるが、9月11日の各紙に、読売新聞会長渡辺恒雄氏の捏造問題に関するコメントが掲載されていた。その要旨は「メディアは万能では無く、何でもかんでも自由というのは間違っている。法律に規制されないうちに誤報・捏造などの問題を自浄作用で克服していかなければならない」というものだ。私はこのコメントを、国会に身を置くものとしてメディアをもっと公正な観点から法規制すべきだと言っているように感じた。

 調べてみると日本では、国家や政府などに対して誤報・捏造を行なった報道機関があったとしてもそれを罰する法律は無い。個人に対する捏造となれば民事で争いは可能となるが、「国家反逆罪」に該当するような罪を規定した法律がないため、いくら国を貶めても法的に罪に問われることはないのである。つまり、新聞は嘘でも捏造でも自由に報じて良いことになっていると言っても過言ではない。テレビについてはチャンネル数が限られており、影響も大きいということから放送法4条に「政治的に公平であること。」「報道は事実をまげないですること。」「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。」という規定がある。これに関しても今のテレビが守っているかどうか甚だ疑問があるところだが、新聞に関してはこうした法律すらないのが現状だ。

 今回の朝日新聞の捏造問題を通じて、問題の「河野談話」をはじめ政府見解を改めることはもちろんだが、報道に関する法規制の必要性も実感した。それはあくまでも国民の知る権利や報道の自由を侵害するものではなく、公正・公平な報道を義務付けるのはもちろんのこと、嘘や捏造を報道してはならないという規制、そしてそれを行った場合の罰則規定も盛り込んだ法律を議員立法でも作るべきだろう。それはメディアの誤報や捏造を防ぐことにもなる。朝日新聞の捏造問題が大きくクローズアップされる今、メディアを恐れずこの問題に向き合うことが政治家に求められていると思う。




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プロフィール

武藤貴也(むとうたかや)

Author:武藤貴也(むとうたかや)
昭和54年5月25日、北海道釧路市生まれ。血液型O型。東京外国語大学卒業、京都大学大学院修了(専門は外交・安全保障・国際法)。平成21年「全国公募」で自民党滋賀県第四選挙区支部長に選ばれ、平成24年第46回衆議院議員総選挙で初当選。外務委員会・安全保障委員会所属。麻生派(為公会)。近江八幡市在住。

*滋賀県第四選挙区(東近江市、近江八幡市、甲賀市、湖南市、日野町、竜王町)

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